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しみゆー
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ロジカルシンキングの基本「ピラミッド構造」で分析しよう!

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ロジカルシンキングの核のひとつである「ピラミッド構造」。

自分の考えや伝えたいことを整理し、その考えに論理性があるかどうかを確認して、さらに深めるためのツールを紹介します。

目次

論理力を高めるピラミッド構造とは?

さまざまな要素や全体の構造を俯瞰し的確に捉えることができる思考法を学べば、最適な判断を下す基礎ができあがります。

複雑なものを整理せずにそのまま考えるのは簡単なことではありません。

内容をきちんと理解し、状況に合った角度から分析していかないと、正しいアプローチも結論も得ることはできないのです。

そこで威力を発揮してくるのが、対象をピラミッド構造で分析していく作業。

分析対象をさまざまな要素に細分化していくことで図式がピラミッド状になることから、こう呼ばれます。

一例として企業の売上高を分析すると、まずは「顧客数」と「顧客あたりの平均売上」が最初の要素となります。

「顧客数」は「既存客数」と「新規客数」に分類でき、既存客から「新商品」「定番商品」「不人気商品」などの要素を分析できます。

こうして枝分かれ式に分析対象を整理していくことで、さまざまな要素の関係性や全体の構造を俯瞰し、的確な判断が下せるようになるのです。

物事を分析しながら具体性を高める

漠然とした概念に具体性を持たせて、より説得力のある推定値を導き出すフェルミ推定を見てみましょう。

具体的な数字を確定させることが難しいケースにおいて、さまざまな条件を加味していくことでおおよその規模を把握していく手法があります。

フェルミ推定と呼ばれる思考法がそれで、そこで活躍するのがピラミッド構造を構築する能力です。

仮にコーヒー豆の年間消費量を知りたければ、「コーヒー1杯あたりで使用される豆の量」と「年間に飲まれるコーヒーのカップ数」を掛け合わせて導き出すことができます。

これを経済効果の面から見るなら、コーヒーに入れる砂糖やミルクの量も検討対象に含まれるでしょう。

逆にマクロな視点で分析していけば、コーヒー豆の年間消費量から飲料全体のでのシェア、ひいては食料品全体でのシェアやコストを推計値として導き出すこともでき、そこからミクロに転じて外食産業や一般家庭でのシェアを求めることもできます。

物事を分解するとき、最初の切り口(ゴールデンカット)が重要!

最初の切り口次第でピラミッド構造の内容は大きく変化する。
最適な切り口を見つけるために、さまざまな角度から見つめましょう。

ピラミッド構造を構築していくうえで、最初の切り口(ゴールデンカット)は最も重要な意味を持ちます。

最初に並べる項目は構造の方向性を決定づけるものであり、ここで正しい角度から項目をチョイスできれば優位な構造となります。

しかしここでチョイスを誤れば見当違いな構造ができあがってしまい、求めるべき情報から遠ざかってしまいます。

最初の切り口は、それほど重要なものなのです。

そのため、最初の切り口はさまざまな角度から考えてみる必要があります。

たとえば新商品の開発というテーマなら、最初の検討材料として「対象年齢」を優先するのか、それとも「ネーミング(※1)」や「付加価値(※2)」などを主眼に置くかで、導かれる構造や結論は大きく変わります。

なにを目的に分析するのか、それに最適な最初の切り口はなんなのかを、常に意識してください。

※1 ネーミング
名前をつけること。命名。
特に、新商品や会社に消費者の印象に残るような効果的な命名をすることを言います。
製品の特徴を伝えたり、顧客の興味を喚起したりする上で、ネーミングは非常に影響が大きいです。
製品戦略を考える上でマーケティング担当者が最も心を砕く要素であるが、売上げに対する影響度は製品特性や市場の発達段階で異なります。
たとえば緑茶飲料のトップブランドである伊藤園の「お〜いお茶」の成功には、ネーミングの果たした役割が小さくないと言われています。
同製品は、1989年に、それまで伸び悩んでいた缶入り緑茶「缶入り煎茶」をリニューアルする形で発売されました。
「缶入り煎茶」というネーミングは「煎茶」という漢字が読めない人が多数いたこともあり、ネーミングが変更されることになりました。
このようにネーミングは、親しみやすいこと、覚えやすいこと、製品との整合性があることなどを考慮した上で、ユニークな語感を持たせることが重要です。

※2 付加価値
ある物(商品や製品など)に付け加えられた価値。
ある企業の総生産額から、他企業より購入した原材料・燃料等の費用を差し引いたもの。
その企業で新たに造出された価値であり、賃金、利子、地代、利潤の合計に等しいとされます。
ハーバードビジネススクール教授のマイケル・ポーターが開発したフレームワークである「バリューチェーン」においては会社の事業活動を機能ごとに分類し、どの機能で付加価値を生み出しているのか(どの機能が自社の強みか)を分析します。

隣り合う項目は同じような重要度・抽象度にそろえる

異なる抽象度や重要度の項目が同列に並んだ場合は、適切な構造が構築できていないと考えて項目を再整理しましょう。

ピラミッド構造の構築でひとつの項目からいくつかの項目に分岐するとき、思いつくままに項目を並べていくと、全体としてのまとまりに欠け、なにを示したい図なのかもはっきりしなくなってしまいます。

きちんと整理されたピラミッド構造は、各段に並ぶ項目は同一の基準で統一されていて、項目ごとの違いも一目瞭然です。

しかし価格帯別に商品を並べている中に「人気商品」「新商品」などの項目が紛れ込むと、該当する内容にダブりが生じたり、取りこぼしが生まれて混乱します。

当然、次の段に並ぶ項目もちぐはぐなものになってしまい、そこから得られるものはなにもないはずです。

同じレベルの重要度抽象度にし、基準をきちんと意識して項目を切り分けて並べる癖をつけることで、明快なピラミッド構造が完成します。

ひとつの箱には明確に設定された項目を入れるべき

曖昧な項目設定は考えが整理できていない証拠。
次の段でどう項目分けすればいいか悩んだところは、遡って具体的な条件をつけましょう。

ピラミッド構造を構築する目的は、漠然とした概念やテーマに具体性を持たせ、はっきりとした定義を導き出すことにあります。

しかし、並べる項目が曖昧なものだと、ピラミッド構造自体が曖昧なものとなり、次に段でどんな項目を並べればいいのかもはっきりしなくなってしまいます。

たとえば「単価」とだけ書かれていたら、これは仕入れ値のことでしょうか。小売りの定価のことでしょうか。

こうした曖昧な項目を置いてしまったときは、ピラミッド構造を構築している本人が内容を的確に把握できていないことが多いものです。

このケースでは次の段に進んだときになにを基準に項目分けすればいいか迷ってしまうので、一段遡って項目を再定義することで、見落としていた問題点などを発見して解決策に到達できるようになります。

ピラミッド構造は四則計算で形作られている

ピラミッド構造の構築は、数学の因数分解(※3)と同じ作業。
同じ段の項目は+-×÷の計算式で結びついています。

ひとつの項目から生まれる次の段の複数の項目は、必ず一定の関連性を持ち、それらが連動することで上位の項目を再現できるようになっています。

各項目は数学の四則計算、いわゆる+-×÷という4要素のいずれかで結びつくのです。

たとえば「売上」は次の段で「顧客数」×「顧客あたりの売上」という構図になり、別の分類で「事業Aの売上」+「事業Bの売上」+「事業Cの売上」などとすることもできます。

「費用」であれば「原材料費」+「人件費」+「運送費」ですね。

これらは項目の位置関係を変えることで、「顧客あたりの売上」を「売上」÷「顧客数」の形で表すこともできます。

ピラミッド構造を構築する際、人によって足し算や掛け算などひとつの計算方式に偏ってしまう癖が出がちですが、4つの計算法を意識することでより多くの切り口が見つかります。

※3 因数分解
「足し算・引き算で表されている数式をカッコつきの掛け算の形にすること」。
比喩的には、複雑な事象を簡単な要素に分けてわかりやすく説明するという意味で使われることが多いです。

三段論法を使用する

事実と論を重ねることで、「AならばB」「BならばC」として、「AならばC」という結論を導き出します。

三段論法とは、事実と論理を重ねて結論に導く手法です。

たとえば「ソクラテスは人間である」という第一論があった場合、「人間は必ず死ぬ」という第二論を重ねることで、第三論で「ソクラテスも必ず死ぬ」という結論を導くことができます。

第一論よりも大きな範囲で第二論を示すことで、第三論が成立するわけです。

このとき各論の前提条件が狂ってしまうと、三段論法は成立しません。

たとえばソクラテスが実は宇宙人だった、ソクラテスは大理石の彫刻だったとしたら、第二論にも第三論にも発展せず破綻してしまうのです。

また、第二論で解釈する視点が180度変われば、結論も変わってきます。

もし第二論を「人間は長生きしたいと願う」としたら、第三論では「ソクラテスも自身の長生きを願う」という結論になります。

論理のブラックボックス化にご用心

ブラックボックス化した過程の検証を無視すると、誤った結果に疑問を抱かなくなる危険性があります。

「風が吹けば桶屋が儲かる」という言い回しを、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

これは遠い関係にあって把握の難しい原因と結果を結びつけたときの表現です。

この言葉のように、日々の慣例などから深く考えもせずに受け入れてしまいがちな事例は多いものです。

ここには思考のブラックボックス化という罠が潜んでいます。

なんとなく因果関係がありそうに感じることをそのまま肯定してしまうと、途中に潜むロジックの問題点の検証がおろそかになり、決定的なミスにつながりかねません。

そうした事態を回避するためには、論理を構築する際に過程と結論の関係を常に精査して曖昧なロジックを排除し、簡潔で疑問の余地のない論理構造を構築するよう心がける必要があるのです。

「逆」「裏」「対偶」の法則を利用してロジックをチェック

論理を構成する要素を別の角度から見つめ直すことで論理の瑕疵や弱点、新たな課題を明らかにします。

ひとつの論理に対し、「逆」「裏」「対偶」という別の構築方法があります。

「AならばB」という「正」のロジックに対し、「逆」は「BならばA」、「裏」は「AでないならBでない」、「対偶」は「BでないならAでない」という関係です。

「正」のロジックにおいてAはより広範なBの一部として考えることができ、「対偶」は無条件に成立すると解釈できます。

しかし「逆」「裏」はAに該当しないBも存在するため、成立しないケースもあり得るのです。

しかし、ビジネスシーンにこの論法を当てはめてみると、「逆」「裏」で齟齬をきたす論法を無意識のうちに構築してしまい、これが原因で思ったような成果が得られずにいるケースが少なくありません。

こういうときは「逆」「裏」「対偶」のロジックに立ち返り、論理構成をチェックしてみてください。

論理の外に目を向けることで帰納法をよりうまく使いこなす

具体例から導き出される帰納法の結論は賛同を得やすいが、反例を検証することでさまざまな可能性を追求できます。

「AだからBである」という具体例を積み上げていくことで総体的な結論に結びつける論法を、帰納法といいます。

多くの具体例から傾向を読み取る際には有益な手法ですが、弱点もあります。

それは、反例(※4)に弱いのです。

たとえば「勤務時間が長く利益率が低い」企業があったとしましょう。

この場合は勤務時間の長さが否定されるわけではありませんが、「勤務時間さえ長ければ利益率が高くなるわけではない」ということにもつながります。

さらに、「勤務時間が短く利益率が高い」企業が出てきたら、もはや勤務時間の長さは一番の検証対象ではなくなってくる可能性もあります。

つまり、評価対象以外の基準も積極的に検討することで、強固な論理を構築できるようになるのです。

※4 反例
ある主張・学説に対しそれが成り立たないことが確かめられる、そういう例。
それを示すだけで反証となる実例。
p→qという命題が間違っていることを示すような例を、p→qの反例といいます。

サンプリングの偏りによるバイアスに気をつける

市場全体のトレンドを的確に捉えるためには、偏った1集団をサンプルにして全体を判断することがないよう留意する必要があります。

「一を聞いて十を知る」ということわざがありますが、市場サンプル(※5)から全体の動向や傾向を把握する際には悪手といえます。

統計学的に信用にたる結論に至るために必要とされるサンプル母集団の最低規模というものがあり、これを満たしていないと誤った調査結果が出てしまうことがあるからです。

たとえば日本国内の企業の業績を分析する際、首都圏に拠点を構える大企業ばかりをサンプルとした場合と、地方都市の中小企業までを対象とした場合では、結果に大きな差が生じてしまう可能性があります。

サンプリングの偏りにより情報にバイアスがかかると、誤った判断に誘導されかねません。

これがもとでひとつの企画が望ましくない結果に着地してしまう可能性もあります。

サンプリングの対象をどのように設定するか、目的に合わせた的確な判断が求められます。

※5 サンプル
標本、見本、例などのこと。
全体の中から取り出し観察・調査を行う一部分のこと。
統計学では母集団から確率的に標本を抜くこと、抽出すること、そのようにして抜き取った一組を指します。

コラム:ロジックツリーとは?

ここで、よく混同しやすい「ロジックツリー」と「ピラミッドストラクチャー」の違いについて触れておきます。

ロジックツリーは「問題をツリー状に分解し、ロジカルに原因や問題解決策を探す問題解決ツール」を指します。

一方でピラミッドストラクチャーは「主張の正しさを裏付けるために、主張と根拠の構成を組み立てていく手法」を指します。

 

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