今回は、「NISA」について、特徴から口座開設の流れまでを紹介します。
NISAとは
NISAとは、2014年にスタートした少額投資非課税制度の愛称です。
NISA口座を開設して投資を行えば、投資で得られた利益が非課税になります。
ただし、NISA制度自体が期間限定で、NISA口座のタイプごとに投資限度額や非課税期間が設けられています。
口座のタイプには「一般NISA」以外にも、「つみたてNISA」「ジュニアNISA」があります。
口座開設ができる期間は一般NISAは2028年まで、つみたてNISAは2042年まで、ジュニアNISAは2023年までとなっています。
NISA口座は断然お得!
通常の課税口座(一般口座・特定口座)は投資で得た利益に約20%の税金がかかりますが、NISA口座は非課税なので投資の利益をそのまま受け取れます。
投資で10万円の利益が出た場合
- NISA口座・・・利益の受取額10万円 ← 利益は全部自分のもの!
- 課税口座・・・利益の受取額8万円 + 税金2万円 ← 2万円が税金で消えてしまう
NISA口座には3つのタイプがある
一般NISA | つみたてNISA | ジュニアNISA | |
---|---|---|---|
対象者 | 20歳以上 | 20歳以上 | 19歳まで |
投資限度額 | 2023年まで:年間120万円 2024年以降:年間122万円 | 年間40万円 | 年間80万円 |
非課税期間 | 5年間 | 20年間 | 5年間 |
ジュニアNISAは保護者が運用を行い、原則的に子どもが18歳になるまで引き出せません。
また、口座開設が可能なのは2023年末までです。
「一般NISA」と「つみたてNISA」の非課税枠
NISA口座には1年間の投資限度額がありますが、非課税期間中に毎年の限度額をフル活用して非課税枠を使い切れば、かなりの金額を投資することができます。
一般NISA
- 投資限度額:年間120万円、2024年以降は年間122万円
- 非課税期間:5年間
つみたてNISA
- 投資限度額:年間40万円
- 非課税期間:20年間

2020年の税制改正で、「一般NISA」の投資限度額が2024年から変わることになりました。でも、「つみたてNISA」は2024年以降も年間40万円が投資限度額ですよ。
「ジュニアNISA」の非課税枠
ジュニアNISAの投資限度額は年間80万円で5年間非課税。
しかし、2023年に廃止される予定のため、2020年に口座を開設した場合、非課税枠は最大320万円(80万円×4年間)となる。
運用できる商品や利用ルールを知ろう
NISA口座は投資限度額や非課税期間が決められているほか、運用できる商品にも制限があります。
また、利用の際にはいくつかのルールもあります。
たとえば、NISA口座は1人1口座しか開設できない、非課税枠の余りを翌年に繰り越せない、他の口座との損益通算ができない、などといったものです。
さらに、「一般NISA」の仕組みが2024年から変わります。
それに応じて、どのように使い方が変わるのかを知っておきましょう。
通常の課税口座と比べると、制限やルールがあるNISA口座ですが、上手に活用すれば大きな非課税のメリットを得られます。
ぜひ、利用を検討してみてください。
NISA口座で運用できる商品は?
NISA口座のタイプによって、運用できる商品と運用できない商品があるので注意しましょう。
・国内外の上場株式
・株式投資信託(株式の組入れが可能な投資信託)
・国内外のETF(上場投資信託)
・国内外のREIT(不動産投資信託)
・ETF(上場投資証券)など
預貯金、債券、公社債投資信託、FX、金やプラチナなどは運用対象となりません。
・株式投資信託(株式の組入れが可能な投資信託)の積立商品
・株式指数を対象とするETF(上場投資信託)の積立商品
運用商品は、国が定めた条件をクリアした投資信託とETFのみに限定されています。
2024年から一般NISAの仕組みが2階建てに変わる

2階の利用には1階の積立投信が必要!
まず1階の積立投信を行わなければ、原則、2階の非課税枠の利用はできないことになっています。
ただし、改正前に一般NISA口座を開設していた人や投資経験者などは、2階で上場株式のみに投資するなら、例外として1階での積立投信を行わなくてもOK。
NISA口座を利用する際の注意点
NISA口座は1つの金融機関でしか開設できず、1人につき1口座しか持つことができません。
ただし、1年単位でNISA口座を開設する金融機関を変えることは可能です。
たとえば、一般NISA(年120万円まで)を利用して1年に100万円の投資を行うと、非課税枠が20万円余ります。
ですが、翌年の非課税枠に余り分を加えて140万円の限度額にはできません。
仮に10万円の商品を購入したとして、同じ年に10万円で売却すると、非課税枠に10万円分の空きができますが、その空き枠を再び投資に使うことはできません。
通常は複数の投資で生じた利益や損益を損益通算して税金を支払いますが、NISA口座で生じた利益や損失は、他の課税口座との損益通算に使えません。
NISA口座で株式の配当金などを非課税で受け取るには、「株式数比例配分方式」を選択する手続きが必要です。
手続きは金融機関によって異なるので、確認しておきましょう。
非課税期間が終了した場合、NISA口座にある投資商品を課税口座に移さなくても、投資限度額までなら新たに設けられる非課税枠に移すこと(ロールオーバー)ができます。
NISA口座開設までの流れ
口座を開く金融機関を選ぶ際には、その金融機関のNISA口座でどんな商品を購入できるかを確認しましょう。
銀行の場合、株式の購入はできません。
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証券会社なら証券口座、銀行なら投資信託口座をまず開設する必要があります。
そのうえでNISA口座の申込手続きを行います。
申込みにはマイナンバーの登録も必要です。
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NISA口座は1人1口座なので、申込者が他の金融機関にNISA口座を開設していないか税務署が審査します。
税務署への申請は金融機関が代行してくれます。
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税務署からNISA口座開設の確認通知が届けば、口座が開設されます。
金融機関にもよりますが、NISA口座開設までには1か月くらいかかる場合が多いです。
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